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程小青 探偵小説論 その3 [作品紹介]

 1957年に発表された程小青の探偵小説論の続きです。反右派闘争から文化大革命へと知識人は弾圧され、命を落とした人が大勢いました。彼は自由には論じることのできない、一歩間違うと右派というレッテルを貼られるという緊張の中で、必死に探偵小説を守ろうとこの小論を書いたのだと思います。言外の言に耳を傾けて下さい。訳文稚拙で申し訳ありません。

 資本主義も帝国主義の段階に突入すると、一部の芸術・文学も社会の腐敗の影響を受けて、官能主義に落ちていった。劣悪な小説が、探偵小説を名乗るようになってしまった。そのよう官能主義の劣悪な作品が探偵小説では断じてない。
 
 わが国に探偵小説が紹介されたのはほんの5・60年前である。わが国の作家も本格的な探偵小説を創作している。しかし、わが国は科学でたちおくれ、封建思想の影響もあり(たとえば、子どもの好奇心を押さえ込む教育)、また一部の文人のセクト主義によって、探偵小説は一貫して蔑視を受けてきた。解放直後など、「エロ小説」のお仲間にされてしまった。
 1955年、政府は猥褻書籍雑誌の取締りを行ったが、『人民日報』は社説を発表し、探偵小説を猥褻図書とははっきり区別して蔑視や偏見を糾してくれたがこれは党の文芸政策の正確さ示すものである。

 この2・3年は、ソヴィエト連邦の冒険小説が翻訳され、私自身も創作した。この冒険小説の主人公は、確固たる階級意識をもち、広範な大衆に依拠し、革命の成果を防衛し人民大衆の利益をまもるため、革命を破壊する反動分子と複雑な先鋭化した闘争を展開する。そして、主人公がこの闘いのなかでしめす、知恵と勇気と高い責任感は読者に大きな影響を与えている。このような冒険小説は、旧社会の探偵小説とは、思想的なものが根本的にことなっているが、その構成や科学的な要素を見れば、両者は類似している。冒険小説の主人公は、調査をして証拠を集め、推理分析し、探偵小説を同じように、科学的原理と方法によって解決をしていく。手に汗握る物語の展開、読者を物語のなかに引き込み、正確な思惟に導いてゆくやり方は、本格的推理小説となんら差異はないのだ。
 このため、多くの読者をひきつけ、翻訳された『紅色保険箱』だけみても、45万冊発行されている。
  
 わが国の人民民主政権は日ごとに強固になり、わが国の国際的地位も飛躍的に上昇した。もはや生き残りの反革命分子が公然と活動することはできないだろう。しかし、旧社会が残した残骸、ブルジョワ思想の影響はまだ存在している。社会主義建設の迅速で順調な進行のために、このような影響と不撓不屈の闘争はどうしても必要なのだ。そして、ここにこそ冒険小説の主題がある。問題は作家がいかに政治思想を向上させるか、科学知識と創作の水準を向上させるかだ。
 また、旧社会の本格的推理小説については、翻訳物も含めて、良いところを取り、悪いところを捨てる、という方法で再評価を加え、良い作品は重版したり新たな訳を試みたり、あるいは書き直したりしていいのではないか。なぜならこれらの質のよい本格的な探偵小説は、青少年を正しい思想にと啓発・導く力があるからだ。ソ連では近年ホームズ物の新訳が発行され、『古邸之怪』(日本語ではなんという題がついている作品でしょうか?)だけで初版52・5万部発行されている。
 
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