So-net無料ブログ作成

程小青 探偵小説論 その2 [作品紹介]

 1957年に「文汇报」に発表した、程小青の推理小説弁護のための論文の抄訳の続きです。


 
 二つの例をあげて、読者が物語の進展に沿って思考してゆくかを考えてみよう。
 先ずは、コナン・ドイル作『シャーロック・ホームズ 恐怖の谷』から。周りを堀で囲まれた古い城の中で、猟銃で撃ち殺された男が発見された。そばに鉄アーレイが一つだけ残されていた。読者はここでどのように考えるのか。
 鉄アーレイは身体を鍛えるためのもので、二つで使うんじゃないかな。もう一つは何処にあるんだろうか。窓の外は堀があるしアーレイは鉄製で重いのに。犯人は自分の犯罪の証拠を隠滅するために、鉄アーレイを使ったのかな?
そう!そこに真相がある。

 もう一例。ファイロ・ヴァンスが登場する『ベンスン殺人事件』を挙げよう。被害者は応接間で深夜殺された。彼はパジャマを着て、スリッパを履き、頭にはなにもかぶらず、ゆったりと椅子の上に座っていた。しかし、彼の寝室には、被害者の入れ歯、かつらが置いてあり、しかも、ベットには痕跡があった。
 この現状から推理をすると、犯人はどのような人物だろうか?
 犯人は深夜訪れているにもかかわらず、被害者は全く警戒もせず、身なりにもかまっていない。パジャマをきたまま、入れ歯もしないかつらもつけずに犯人と会った。ヴァンスはこの事実と、経済的要因から、犯人を被害者の兄であると指摘した。

 探偵小説はたかだか100年余りの歴史しかない。エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』は1841年に発表された。コナン・ドイルのホームズ、ヴァン・ダイクのヴァンスなど、豊かな想像力と、緻密な分析、そして熟考に耐える優秀な作品である。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。